育休中の手取りはいくら?看護師の育児休業給付金を徹底解説
育休中に受け取れる育児休業給付金の計算方法、社会保険料免除の仕組み、手取りの目安を看護師向けにわかりやすく解説。月収30万円・35万円・40万円のシミュレーション付き。
「育休に入ったら生活費はどうなるんだろう…ちゃんと払っていけるかな」と不安な看護師さん、実は制度をしっかり活用すれば休業前の手取りの8割前後をキープできることが多いです!
妊娠がわかったとき、真っ先に頭をよぎるのが「育休中のお金」ではないでしょうか。夜勤手当や残業代を含めた給与が突然ゼロになったら…と不安になるのは当然のことです。でも、日本には雇用保険の「育児休業給付金」という心強い制度があります。
この記事では、看護師さんが育休中に受け取れる育児休業給付金の金額・計算方法・社会保険料免除の仕組みを、月収別のシミュレーション付きで徹底解説します。「自分の場合はいくらになるのか」がこの記事を読み終えるころには具体的にイメージできるようになっているはずです。
💰 育児休業給付金とは?基本のしくみ
育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得したときに受け取れる給付金です。国の制度なので、病院・クリニック・介護施設など職場の種類に関係なく、雇用保険の要件を満たせば受給できます。
給付率は「前半67%・後半50%」
給付率は育休開始からの日数によって2段階に分かれています。
- 育休開始から180日(約6か月)まで:月給の67%
- 181日目以降:月給の50%
たとえば月給(手取りではなく総支給額)が30万円の看護師の場合、前半は約20万1千円、後半は約15万円が支給されます。「半分以下になる」と思っていた方にとっては、想像より多い金額ではないでしょうか。
「月給」の計算に夜勤手当・残業代も入る
看護師の強みは、夜勤手当や残業代が給付金の計算対象になることです。育休開始前の直近6か月間の賃金総額(通勤手当・夜勤手当・残業代を含む、いわゆる「総支給額」)を180で割った金額が「休業開始時賃金日額」になります。
夜勤をしっかりこなしてきた看護師ほど、賃金日額が高くなり、給付金額も増える傾向があります。産休前に夜勤を減らすと計算のベースが下がってしまうため、妊娠後半の働き方は担当医や職場と相談しながら慎重に決めるのがおすすめです(体調最優先、もちろんです)。
支給上限額(2025年8月改定後)
給付金には上限があります。2025年8月1日改定後の支給上限額は次のとおりです。
- 給付率67%の場合:月額323,811円
- 給付率50%の場合:月額241,650円
月給が高くてもこの上限を超えることはありません。
📊 月収別シミュレーション:実際の手取りはいくら?
育休中の手取りを考えるうえで重要なのが、「社会保険料の免除」です。育休中は健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。つまり給付金から社会保険料が引かれないため、実質的な手取り率は給付率より高くなります。
月収30万円の看護師の場合
月収30万円(夜勤手当込みの総支給額)の場合、大まかな試算は以下のとおりです。
- 休業開始時賃金日額:300,000円 ÷ 30日(※実際は180で割る計算)= 約1,667円/日
- 月額給付金(前半67%):約201,000円
- 月額給付金(後半50%):約150,000円
育休前の手取りが約23〜24万円程度とすると、前半は手取りの85%前後を育休中も確保できる計算になります。社会保険料免除効果も合わせると、生活レベルをほぼ維持できるラインです。
月収35万円の看護師の場合
夜勤が多い看護師に多い月収帯です。
- 月額給付金(前半67%):約234,500円
- 月額給付金(後半50%):約175,000円
社会保険料免除(本人負担分だけで月3〜4万円程度)を加味すると、前半の実質的な確保額は26〜27万円前後になるケースが多く、共働き家庭なら日常生活を維持しやすい水準です。
月収40万円以上の看護師の場合
専門職加算や管理職手当がつく場合はさらに高くなりますが、上限額(67%で約32.4万円)を超えた分は給付されません。月収40万円なら計算上の67%は268,000円で上限以下ですが、月収50万円以上になると上限頭打ちになります。自分の月収と上限額を照らし合わせて確認しておきましょう。
📋 申請の流れと注意点
申請は職場経由でハローワークへ
育児休業給付金の申請は、原則として職場(病院・クリニック等の事業主)がハローワークに代わって行います。個人がハローワークの窓口に直接行く必要はほとんどなく、総務・人事担当者に手続きをお任せできます。
ただし申請に必要な書類(育休申出書・賃金台帳・出勤簿など)は自分で準備・提出するものも含まれます。育休開始前に職場の担当者と必要書類リストを確認しておくとスムーズです。
初回支給は育休開始から3〜4か月後
給付金は2か月に1回まとめて支給されます。初回の支給は育休開始から3〜4か月後になることが多いため、それまでの生活費はある程度手元に用意しておく必要があります。貯金の目安として「育休前の手取り2か月分」を確保しておくと安心です。
受給資格の確認:雇用保険の加入期間
育児休業給付金を受け取るには、育休開始前の2年間に「11日以上働いた月が12か月以上ある」ことが条件です。常勤看護師であれば多くの場合問題ありませんが、転職直後や産休前に離職期間があった場合は確認が必要です。不安な方は職場の担当者またはハローワークに事前に確認しておきましょう。
🏥 社会保険料免除で手取りが増える仕組み
育休中の大きな恩恵が「社会保険料の免除」です。健康保険料と厚生年金保険料が、育休開始月から終了日の翌日が属する月の前月まで、本人負担分・事業主負担分ともに免除されます。
免除される金額の目安
月収30万円の看護師で、社会保険料(健康保険+厚生年金)の本人負担は月3.5〜4万円程度になります。育休が12か月なら、合計40〜50万円近くが免除される計算です。これは非常に大きい金額です。
免除期間中の年金記録には空白が生じず、給付金も非課税扱いになるため、税金の負担も育休前より大幅に下がります。育休中は給付金67%+社会保険料免除+非課税という3つの恩恵が重なり、実質的な手取り確保率が高まる仕組みです。
免除の手続きは職場が行う
社会保険料免除の申請も事業主が日本年金機構に届け出る形式のため、自分で動く必要はありません。ただし2024年10月以降の改正で、同一月内に短期育休を複数回取得した場合の扱いが変わっています。不明点があれば職場の総務担当か最寄りの年金事務所に確認してください。
🍼 出生後休業支援給付金:パパも取れば給付率アップ
2025年度以降、「出生後休業支援給付金」という新たな給付が追加されました。子どもの出生直後の8週間以内に、両親が合計4週間以上(それぞれ2週間以上)育休を取得した場合、通常の67%に加えて最大13%が上乗せされ、実質80%相当の給付が受けられます。
夫(パートナー)が医師・看護師・会社員など雇用保険加入者であれば、パパ育休と組み合わせることで給付率を高められます。「夫は育休を取りたがらない」という声もよく聞きますが、給付金の面でもメリットが大きいため、出産前に一緒に確認しておくことをおすすめします!
🗂 手続きチェックリスト:育休前にやること
育休に入る前に確認しておきたい手続きを整理します。
妊娠がわかったら早めに
- 職場の人事・総務担当者に妊娠を報告し、育休の取得意向を伝える
- 「育休開始前6か月の働き方」を担当医と相談する(夜勤・残業の量が給付金額に直結する)
- 雇用保険の加入期間を確認する
産休前に
- 職場から「育児休業申出書」を受け取り、育休開始日を確定させる
- 育休中の連絡体制・復職予定を職場と擦り合わせる
- 初回支給までの約3〜4か月分の生活費を確保しておく
育休開始後
- 2か月ごとの支給申請を職場担当者が行うため、必要書類の提出をスムーズにする
- 給付金支給通知書が届いたら金額を確認し、疑問点があればハローワークへ
育児休業給付金の仕組みを知っていれば、育休中の生活設計は思ったより立てやすくなります。まず今日一つだけやることを絞るなら、「職場の総務・人事担当者に育休取得の意向を伝えること」です。報告が早いほど、手続きもスムーズに進みます!
あなたの次の一歩に
❓ よくある質問
Q. 看護師が育休を取ると育児休業給付金はいくらもらえますか?
回答:育休開始から180日間は直近6か月の月給の約67%、181日目以降は約50%が支給されます。月給30万円なら前半は約20万円、後半は約15万円が目安です。さらに社会保険料が免除されるため、手取りベースでは給付金だけで月給の8割前後を確保できるケースも多いです。
Q. 育児休業給付金の計算に夜勤手当や残業代は含まれますか?
回答:含まれます。育休開始前の直近6か月間に実際に受け取った賃金(夜勤手当・残業代・通勤手当なども含む総支給額)の合計を180で割って日額を算出するため、夜勤が多い看護師ほど給付額が高くなる傾向があります。
Q. 育児休業給付金はいつ振り込まれますか?
回答:原則として2か月ごとにまとめて支給されます。初回は育休開始から約3〜4か月後になることが多く、支給時期は申請内容によって前後します。職場の担当者(総務・人事)が代わりに申請する仕組みのため、進捗は職場に確認するのが早いです。
Q. パートや非常勤の看護師でも育児休業給付金はもらえますか?
回答:雇用保険に加入していて、育休開始前の2年間に11日以上働いた月が12か月以上あれば受給資格を得られます。週20時間以上・31日以上雇用見込みがあれば雇用保険加入対象なので、常勤だけでなく非常勤・パートの看護師でも条件を満たせるケースがあります。
Q. 育休中に少し働いたら給付金はなくなりますか?
回答:育休中に就業した場合、就業した時間が月内の就業可能時間の10分の1以下かつ80時間未満であれば給付金は支給されます。ただし就業した日の賃金と給付金の合計が休業前賃金の80%を超えると給付金が減額されるため、復帰の際は職場・ハローワークに事前確認を。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の受給額・手続きは勤務先の条件や申請時期によって異なります。給付金の詳細や個別のご相談は、職場の担当者またはお近くのハローワーク・社会保険労務士にお問い合わせください。
参考情報源
- 育児休業等給付について|厚生労働省 (厚生労働省) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135090_00001.html
- Q&A~育児休業等給付~|厚生労働省 (厚生労働省) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html
- 産休・育休中の経済的支援 かんたん試算ツール|厚生労働省 (厚生労働省) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://shussan.ikukyu-simu.mhlw.go.jp/
- ハローワークインターネットサービス - 育児休業等給付 (厚生労働省・ハローワーク) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_childcareleave.html
- 育児休業期間中の社会保険料免除|日本年金機構 (日本年金機構) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kounen/tekiyo/menjo/20140403-01.html