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SBAR申し送りはどこを見る?状況背景評価提案の整理と安全に進める看護の流れ

SBAR 申し送り 看護で迷いやすい報告の組み立て方を、状況・背景・評価・提案の4要素に分けて整理します。ドクターコールや勤務交代で伝達漏れを防ぎ、記録につなげるコツまでまとめました。

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この記事の要点:SBARは Situation(状況)・Background(背景)・Assessment(評価)・Recommendation(提案)の頭文字をとった、医療者間で要点を漏れなく伝えるための報告のフレームです。長く話そうとするのではなく、この4つの順番に沿って短く区切ると、緊張する電話報告でも相手がすぐ判断できます!

「ドクターコールしようと受話器を持ったのに、何から話せばいいか分からず頭が真っ白になった」。新人の頃、誰もが一度は通る場面です。SBAR申し送りは、まさにこの「伝え方が分からない」を仕組みで解決するための型です。手順を暗記する手技とは違い、頭の中の情報をどの順番で口に出すかを整える、コミュニケーションの技術だからです。

この記事では、夜勤帯の急変報告や日勤への申し送りを想定しながら、SBARの S・B・A・R それぞれに何を入れるのか、どこでつまずきやすいのか、報告後にどう記録へつなげるのかを整理します。SBARはもともと米国の医療安全活動で広まり、日本でも医療事故の多くが「伝達漏れ・確認不足」に起因することから、報告の標準フレームとして看護基礎教育や院内研修で広く使われています。

大切なのは、上手に話すことではなく、相手が次の指示を出せるだけの材料を、抜けなく渡すことです。「血圧が下がっています、どうしましょう」だけでは医師は動けません。SBARはその「どうしましょう」の前に必要な情報を並べる地図のようなものです!

報告のあとに短く振り返る時間も、上達の一部です。「A(評価)まで言えたか」「Rで具体的な提案ができたか」を一言でも残しておくと、次の報告がぐっと楽になります。忙しい病棟では復習の時間を取りにくいですが、SBARのような型ほど、使った経験を言葉にしておくことが定着の近道です!

🗣 SBARの4つの要素は何を入れる?

SBARで最初に押さえたいのは、S・B・A・R が「いま起きている事実 → これまでの経過 → 自分の見立て → してほしいこと」という時間と思考の流れに沿っている、という点です。結論から言うと、この順番どおりに話せば、相手は迷わず判断材料を受け取れます。

S・B・A・R それぞれの中身

Sは Situation、いま何が起きているかです。「○号室の△△さん、術後1日目です。先ほどから血圧が80台に下がっています」のように、患者の特定と今の問題を一文で言います。Bは Background、そこに至る背景です。診断名、術式、既往、内服、直近のバイタル推移など、判断に必要な経過を渡します。Aは Assessment、自分の評価・見立てです。「出血か脱水を疑っています」と、看護師としての考えを言葉にします。Rは Recommendation、相手にしてほしい提案です。「至急の診察をお願いしたいです」「補液の指示をいただけますか」と、具体的な行動を求めます。

新人がつまずきやすいのはAとRです。SとBは見た事実なので言いやすいのですが、「自分の見立てを言っていいのか」とためらってしまいます。間違っていてもよいので、まず仮の評価を口にすることが大切です。医師はその見立てを手がかりに、確認の質問を返せます!

「事実」と「考え」を混ぜない

SBARが効くのは、客観的な事実(S・B)と、看護師の解釈(A・R)を分けて伝えるからです。ここが混ざると、相手は何が観察値で何が推測なのか分からなくなります。たとえば「なんだか元気がなくて心配です」だけでは、相手は動けません。「朝より声かけへの反応が鈍く、SpO2が94%から90%に下がっています(S)。誤嚥性肺炎の悪化を疑います(A)」と分けると、評価の根拠が伝わります。

数値や時刻を添えると、さらに精度が上がります。「さっきから」より「14時から」、「血圧が低い」より「収縮期80台」のほうが、相手は緊急度を判断しやすくなります。SBARは話を長くする型ではなく、短い中に判断材料を密に詰める型だと考えてください。

🧭 報告の前にそろえておく情報は?

電話をかける前のひと呼吸が、SBARの成否を分けます。結論として、患者の基本情報、直近のバイタル、関連する検査値や指示、そして自分の提案までを手元にそろえてから受話器を取ると、途中で言葉に詰まりにくくなります。

かける前に手元に置く情報

報告中に「えっと、点滴は何が入っていたかな」と探し始めると、流れが切れて相手の集中も切れます。電話の前に、患者の氏名・病室・診断名、現在のバイタル、最終の確認時刻、関連する内服や点滴、直近の検査値、最後に医師の指示を見たのがいつかを、メモかカルテ画面に並べておきます。SBARの順に書いた付箋を一枚作るだけでも、抜けが減ります!

とくに夜間や休日に当直医へ報告する場合、相手はその患者を初めて診ることが多いものです。日中の主治医なら通じる省略が通じないので、背景(B)は普段より丁寧に渡すつもりでそろえます。

Rを必ず用意してから電話する

新人がやりがちなのは、S・B・Aまで話して「で、どうしましょう」と相手任せにすることです。もちろん最終判断は医師ですが、看護師からの提案(R)があると、会話が一往復で済みます。「診察に来ていただけますか」「指示の変更をお願いできますか」「このまま経過観察でよいか確認させてください」のように、選択肢の形で出すと相手も答えやすくなります。

ためらう気持ちはよく分かります。でもRは「指示」ではなく「相談」です。違っていれば医師が修正してくれます。提案を添えることは出過ぎた行為ではなく、安全のための一手だと考えてください。

要素何を入れるつまずいたときの対処
S 状況患者の特定、今いちばんの問題を一文でまず「誰が・何が起きたか」だけ言い切る
B 背景診断・術式・既往・内服・バイタル推移カルテ画面を開いたまま事実を読み上げる
A 評価自分が疑うこと、緊急度の見立て確信が持てなくても仮の評価を言葉にする
R 提案診察・指示・確認など具体的な依頼選択肢の形で「〜でよいですか」と尋ねる

🔎 報告の途中で意識することは?

報告の最中は、相手の理解のテンポに合わせることが大切です。結論から言うと、一気にまくし立てず、S・B・A・R の区切りで相手が割り込める間を作ると、認識のズレをその場で正せます。

復唱と確認で取り違えを防ぐ

電話報告では、薬剤名・投与量・患者名の聞き間違いが事故につながります。医師から口頭指示を受けたら、必ず復唱します。「ソルデム3Aを500mL、ですね」と声に出して確認するだけで、取り違えの多くは防げます。とくに似た名前の薬や、単位の聞き違い(ミリとマイクロ等)は、復唱でしか拾えません!

相手が忙しそうでも、ここは省略しないところです。「念のため確認させてください」の一言は、相手にとってもありがたい確認になります。

報告中に状態が変わったら最新を渡す

報告している数分の間にも、患者の状態は動きます。話している途中で血圧がさらに下がった、意識レベルが落ちたといった変化があれば、それを最優先で伝え直します。「先ほど80台と申し上げましたが、今70台まで下がりました」と、最新の事実に更新するのです。

迷ったら一人で抱え込まず、早めに報告します。報告が早すぎて怒られることはあっても、遅れて重症化するより何倍もよい判断です。看護師の強みは、機械のアラームより前に「何か変」を感じ取れることです。その違和感こそ、SBARのAに乗せて伝える価値があります!日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業が繰り返し示しているのも、確認不足や伝達漏れを個人の注意ではなく仕組みで減らす大切さです。

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📝 報告のあとの記録と申し送りは何を書く?

報告して終わりではなく、伝えた内容と受けた指示を記録に残します。結論として、何時に誰へ報告したか、伝えた状態(S・B・A)、受けた指示(R への回答)、その後の経過を記録すると、次勤務が安全に引き継げます。

記録は「報告した事実」と「受けた指示」を分ける

記録でありがちなのは、「Dr報告済み」とだけ書いてしまうことです。報告した事実は分かっても、何を伝え、どんな指示が出たのかが残らないと、次の人が経過を追えません。報告時刻、相手の医師名、伝えた状態、受けた指示、実施したことを、それぞれ短く分けて残します。

たとえば「14:10 当直○○医へ報告。収縮期80台、術後出血疑い(A)、診察依頼(R)。14:20 診察、補液500mL指示、再検でHb変化なし。16時に再評価予定」と書くと、誰が読んでも経過と次の予定が分かります。文章をきれいにするより、次の判断につながることが大切です!

申し送りは「次に何を見るか」で締める

口頭の申し送りでも、報告した事実だけでなく、次に注意することを最後に添えます。「今は落ち着いています」で終えるより、「補液後の血圧推移と尿量を1時間ごとに見てください」と言う方が、患者さんの安全につながります。

SBARで伝えるべき変化は、すぐに決着するとは限りません。数時間後に再び動くこともあります。次勤務が同じ目線で見られるように、観察ポイントを一つか二つに絞って渡しましょう。情報量が多すぎる申し送りは、かえって大事な点が埋もれます。

ひとりで抱えない仕組みにする

報告がうまくいかなかったとき、「自分の伝え方が悪い」と抱え込む人は多いです。でも実際には、夜間の人員、相手の医師の状況、患者さんの急な変化、病棟の忙しさなど、いくつもの要因が重なります。だからこそ、伝達でヒヤリとした出来事は、責めるためではなく、次に同じことを起こさないために共有します。

現場はいつも忙しいです。それでも、「あの報告、伝わりきらなかった」と言葉にする文化は、患者さんだけでなく看護師自身も守ります。あなたが感じた違和感は、SBARの型をチームで磨く材料になるかもしれません!

❓ よくある質問

Q. SBARのS・B・A・Rはそれぞれ何の略ですか?
Situation(状況)・Background(背景)・Assessment(評価)・Recommendation(提案)の頭文字です。「今の問題→経過→自分の見立て→してほしいこと」の順に話す型で、報告の抜けを防ぎます。

Q. AとRがうまく言えません。どう練習すればいいですか?
A(評価)は確信がなくても「○○を疑います」と仮の見立てを口にするのがコツです。R(提案)は「診察に来ていただけますか」のように選択肢の形で出します。電話の前に4要素を付箋に書いて埋める練習が効果的です。

Q. 報告した内容はカルテにどこまで書けばいいですか?
報告時刻、相手の医師名、伝えた状態(S・B・A)、受けた指示、実施したことを分けて短く残します。「Dr報告済み」だけでは経過が追えないので、指示内容と次の予定まで記録すると次勤務が安全に引き継げます。

Q. 緊急時にSBARを全部そろえる余裕がないときはどうしますか?
急変で時間がないときは、まずS(誰に何が起きているか)とR(来てください等の依頼)だけでも先に伝え、応援を呼びます。心肺停止など一刻を争う場面は、報告の体裁より人を集めることが最優先です。落ち着いてからB・Aを補います。

あなたの次の一歩に

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療・看護判断に代わるものではありません。実施手順や適応は、所属施設の手順書、医師の指示、最新の添付文書や公的情報を確認してください。

参考情報源

  1. 看護業務基準(2021年改訂版) (日本看護協会) アクセス日: Sat May 30 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/kijyun/
  2. 医療事故情報収集等事業 (日本医療機能評価機構) アクセス日: Sat May 30 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.med-safe.jp/

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