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神経学的アセスメントの手順|JCS・GCS・MMT・バビンスキーまとめ

脳神経科・SCUで「神経学的観察を漏れなくやる手順を確認したい」看護師向けに、JCS・GCS・MMT・バビンスキー反射の実施手順と記録のポイントを一気にまとめました。

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「神経学的な観察って、やるべき項目が多すぎてどこから手をつければいいのか……」。そう思ったことのある看護師さん、安心してください。JCS・GCS・瞳孔・MMT・バビンスキーをこの順番で押さえれば、観察漏れが一気に減ります!

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脳神経科やSCU(脳卒中ケアユニット)では、意識レベルの変化や瞳孔の左右差、手足の麻痺を見逃すと患者さんの後遺症や転帰に直結します。「GCSは何となくわかるけれど、MMTの段階分けが曖昧」「バビンスキー反射を正しく評価できているか自信がない」という声は、現場でよく聞きます。

この記事では、看護師が行う神経学的アセスメントを「意識レベル→瞳孔→運動機能→感覚・反射→言語・認知」の順に整理して、具体的な手順・判定基準・記録のポイントまでまとめます。国家試験対策にも役立つ内容ですが、もっとも大切なのは現場で迷わず実施できるようになることです。手順を一度整理してしまえば、どんな場面でも落ち着いて動けます!

🧠 神経学的アセスメントの全体の流れ

看護師が行う神経学的アセスメントは、意識レベルの確認から始めて、瞳孔、運動、感覚・反射、言語・認知という順番で進めます。この順番には理由があります。意識レベルが低下していれば、その後の検査への協力が得にくくなりますし、瞳孔不同は緊急度の高い所見の一つです。まず生命に関わる指標から確認し、詳細な神経学的評価へと進むのが安全です!

アセスメントを始める前に確認すること

実施前には、患者さんの普段の状態(ベースライン)を電子カルテや前の担当看護師から引き継ぐことが重要です。もともと言語障害がある方、麻痺が残存している方、認知症がある方では、新たな変化を見分けるためにベースラインとの比較が欠かせません。

「いつもと違う」という感覚は重要な情報です。数値が基準内でも、目の焦点が合わない、返答が遅い、表情が乏しいなど、本人比で何かが変わっていれば報告の対象になります。患者さんをよく知っている家族からの「何か変です」という訴えも軽視しないことが大切です。

また、照明・体位・刺激を与える環境を整えてから始めます。暗い部屋では瞳孔の評価が難しくなりますし、体位によっては協力が得にくい場合があります。

神経学的アセスメントの手順一覧

手順項目主な評価内容
(1)意識レベルJCS・GCS
(2)瞳孔大きさ・左右差・光反射
(3)運動機能MMT(徒手筋力テスト)・上下肢の動き
(4)感覚機能痛覚・触覚・温度覚
(5)反射バビンスキー反射・腱反射
(6)言語・認知構音・失語・見当識

👁️ JCSとGCSで意識レベルを評価する

意識レベルの評価は神経学的アセスメントの出発点です。日本では主にJCS(Japan Coma Scale、ジャパン・コーマ・スケール)とGCS(Glasgow Coma Scale、グラスゴー・コーマ・スケール)が使われています。両者の違いを理解して使い分けることが、的確な観察につながります!

JCS(Japan Coma Scale)の評価方法

JCSは3桁の分類です。大きな枠として「刺激なしで覚醒している(1桁)」「刺激で覚醒する(2桁)」「刺激しても覚醒しない(3桁)」の3群に分かれ、それぞれの中にさらに細かい分類があります。

1桁(刺激なしで覚醒)の評価は以下のとおりです。JCS-1は「見当識が保たれている」、JCS-2は「見当識が障害されている」、JCS-3は「自分の名前・生年月日が言えない」です。2桁(刺激で覚醒)については、JCS-10は「普通の呼びかけで容易に開眼する」、JCS-20は「大きな声または体を揺さぶることにより開眼する」、JCS-30は「痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すとかろうじて開眼する」です。3桁(刺激しても覚醒しない)は、JCS-100が「痛み刺激に対して払いのけるような動作をする」、JCS-200が「痛み刺激で手足を動かしたり顔をしかめる」、JCS-300が「痛み刺激に反応しない」となります。

JCSは日本独自のスケールで、ベッドサイドで素早く確認できるのが強みです。ただし、眼球開閉・言語・運動を分けて評価しないため、経時変化の細かい追跡にはGCSが向いています。

GCS(Glasgow Coma Scale)の評価方法

GCSは「眼球開閉(E)」「言語反応(V)」「運動反応(M)」の3要素をそれぞれスコア化して合計します。最低スコアは3点、最高スコアは15点で、8点以下が重症とされる目安ですが、必ず3要素を個別に記録します。

眼球開閉(E)の評価は、自然に開眼でE4、呼びかけで開眼でE3、痛み刺激で開眼でE2、開眼しないでE1です。言語反応(V)は、見当識があり会話できるでV5、混乱しているが言葉を使えるでV4、不適切な言葉でV3、理解不明な声でV2、なしでV1です。運動反応(M)は、命令に従えるでM6、痛み刺激の部位を払いのけるでM5、痛みから逃げる屈曲でM4、異常屈曲(除皮質肢位)でM3、伸展(除脳肢位)でM2、なしでM1です。

GCSは国際的に広く使われ、経時変化の記録や重症度評価に優れています。「E3V3M4=合計10」のように記録すると、次の看護師も変化を比較しやすくなります。記録時は合計点だけでなく3要素を必ずセットで書くことが重要です!

👀 瞳孔観察の手順とアニソコリアの見方

瞳孔の評価は意識レベルの確認と並んで、神経学的アセスメントの中で特に緊急性が高い所見を拾う場面です。正常な瞳孔は直径3〜5mm、左右差は1mm未満、光を当てると素早く縮瞳(直接対光反射)し、反対側の瞳孔も縮む(間接対光反射)のが正常です。この条件を一つひとつ確認します!

瞳孔の大きさと左右差の確認方法

瞳孔計(ペン型のスケール)を使い、明るい部屋または懐中電灯の光を間接的に当てながら、左右の瞳孔径を測定します。1mm以上の左右差(アニソコリア)は、動眼神経麻痺の初期サインや脳ヘルニアの徴候として扱い、発見次第即報告します。

瞳孔が拡大している場合(散瞳)は、脳幹障害、動眼神経圧迫、アトロピン系薬剤の影響などが考えられます。逆に縮小している場合(縮瞳)は、橋出血、オピオイド系薬剤の影響、有機リン中毒などが原因となりえます。薬剤使用歴を確認しながら評価することが大切です。

対光反射の確認方法

ペンライトを側方から瞳孔に向け、素早く光を当てます。正常では0.2〜0.5秒以内に縮瞳し、光を外すと元に戻ります。反対側の瞳孔が縮む間接対光反射も確認します。

「直接対光反射あり・左」「間接対光反射あり・左から右」のように左右を明記して記録します。記録の曖昧さは引き継ぎの際に誤解を生みます。特に瞳孔不同がある場合は、どちらの眼が拡大しているか、光反射の消失はどちら側かを明確に書き残すことが重要です!

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💪 MMTと徒手筋力テストで運動機能を評価する

運動機能の評価では、上下肢の筋力と動きのパターンを系統的に確認します。MMT(Manual Muscle Test、徒手筋力テスト)は0〜5の6段階で評価し、左右差・上下差・経時変化を追います。麻痺の有無だけでなく、麻痺のパターン(片麻痺か対麻痺か、近位優位か遠位優位か)も判断の材料になります!

MMT(徒手筋力テスト)の判定基準

MMTの6段階は以下のとおりです。

現場では「MMT3が重力に勝てる最低ライン」と覚えておくと、ベッドサイドで素早く判断できます。MMT2以下では自力での体位変換や移乗が難しくなるため、転倒リスクの評価にも直結します。

上下肢の麻痺評価の実際

上肢の麻痺チェックでは、両腕を前方に水平に挙上させ、閉眼で10〜20秒保持させます(バレー試験)。麻痺側は徐々に下垂し、回内してきます。これは軽度の錐体路障害を拾うのに有用で、MMTで5と判定されても、このテストで左右差が出ることがあります。

下肢の麻痺チェックでは、仰臥位で膝を90度に曲げた状態を保持させます(ミンガッツィーニ試験)。麻痺側は数秒で徐々に下垂します。意識レベルが低い患者さんでは、足底への痛み刺激に対する逃避反応(足を引っ込める動き)を左右で比較します。

また、筋緊張も観察します。関節を他動的に動かしたときに抵抗が高い(痙縮・強剛)か、低い(弛緩)かを記録します。上位運動ニューロン障害では痙縮が、下位運動ニューロン障害では弛緩性麻痺が特徴的です!

運動パターンと歩行観察

歩行が可能な患者さんでは、歩行のパターンも重要な情報です。片麻痺では患側を外側に回す「分回し歩行」が特徴的です。小脳性失調では酔ったような「失調性歩行」が見られます。パーキンソン病では前かがみで歩幅が小さく、すくみ足になる「小刻み歩行」があります。

これらの観察は転倒リスクのアセスメントにも直結します。歩行の変化に気づいたら、環境調整・見守り・補助具の見直しをセットで検討することが大切です。

🔬 感覚機能と反射の評価手順

感覚機能の確認方法

感覚機能の評価は、痛覚・触覚・温度覚の順で行います。痛覚は安全ピンや爪楊枝の先端で皮膚を軽く押し、「痛い」と感じるかどうかを左右・上下で比較します。実際には、痛み刺激を与えることへの患者さんへの説明と同意が必要です。

触覚は綿棒や柔らかいティッシュで皮膚に触れ、感じているかを確認します。感覚低下の部位が「手袋・靴下型」(末梢対称性)なら末梢神経障害、「半身」(体の半分)なら脳・脊髄病変を疑います。感覚障害の範囲をデルマトームと照らし合わせると、障害レベルの推定に役立ちます。

また、固有感覚(位置覚)は目を閉じた状態で指や足趾の関節位置を当てさせることで確認します。これが障害されると、閉眼での歩行が困難になり転倒リスクが高まります!

バビンスキー反射の正確な評価

バビンスキー反射は、足底を踵から母趾の方向に向かってペン先などで軽く擦ることで誘発します。正常(陰性)では母趾が底屈します。異常(陽性)では母趾が背屈し、他の4趾が扇状に開く反応(足趾開扇)が見られます。

成人でバビンスキー反射が陽性の場合は錐体路障害(上位運動ニューロン障害)を意味し、脳卒中・脊髄損傷・多発性硬化症などが原因となります。新生児や乳幼児では正常でも陽性になるため、注意が必要です。

評価時のポイントとして、刺激が強すぎると逃避反射(足を引っ込める動き)が出て判定が難しくなります。ゆっくりと一定の速さで擦ることが正確な評価のコツです!

腱反射の確認

腱反射は打腱器(ハンマー)で腱を叩き、反射の程度を評価します。上肢では上腕二頭筋腱反射・上腕三頭筋腱反射、下肢では膝蓋腱反射・アキレス腱反射が主な確認ポイントです。反射が亢進していれば上位運動ニューロン障害、消失または低下していれば下位運動ニューロン障害を示唆します。

反射の評価は左右の比較が重要です。「右は正常、左は亢進」という左右差が変化の手がかりになります。記録は「++(正常)」「+++(亢進)」「+(低下)」「-(消失)」などの記号で統一することが多いですが、施設のルールに従ってください。

🗣️ 言語・認知機能と見当識の評価

失語と構音障害の見分け方

言語機能の評価では、話す(発話)・理解する(理解)・復唱する(復唱)・読む(読字)・書く(書字)の5つを確認します。失語症は大脳の言語野の障害で、言葉そのものが出ない・理解できないという状態です。構音障害は運動機能の問題で、言葉は理解できているのに発音がうまくできない状態です。

ベッドサイドでの簡易評価として、「目を閉じてください」「手を挙げてください」といった命令への理解を確認します。その後「今日は何月何日ですか」と聞いて自発語を評価します。復唱は「もし もしもし」などの短い文を繰り返させます!

見当識と認知機能の確認

見当識の確認は「時間・場所・人」の3つです。「今日は何年何月何日ですか」「今いる場所はどこですか」「あなたのお名前は」という質問で評価します。これらはJCSの1桁評価でも使いますが、詳細に評価する際には各質問への回答を記録します。

簡易認知機能検査としてMMSE(Mini-Mental State Examination)やHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)が使われますが、これらは時間と道具が必要なため、急性期では「最低限の見当識確認と、普段からの変化」を中心に評価するのが現実的です。

認知機能の変化は急性期では「せん妄」として現れることが多く、特に夜間に注意が必要です。せん妄は意識変容・注意障害・認知機能の急激な変化が特徴で、背景には感染・疼痛・低酸素・薬剤・脱水などがあります。神経学的アセスメントと並行して環境・身体要因を確認することが大切です!

📝 記録・報告・申し送りのポイント

神経学的アセスメントは実施するだけでなく、記録と報告が伴ってはじめて意味を持ちます。記録では「いつ・どの方法で・どう変わったか」を具体的な数値で残します。「意識清明」という表現より「JCS-0、GCS E4V5M6=15点」と書く方が次の担当者が変化を比較しやすくなります!

変化を報告するタイミング

意識レベルがJCSで1段階以上、GCSで2点以上変化した場合、瞳孔に左右差が出た場合、新たな麻痺が出現した場合、バビンスキー反射が新たに陽性になった場合は、発見次第医師への報告が必要です。

「いつもより少し反応が遅い気がする」という感覚も大切な情報です。数値に出ていなくても違和感を報告することで、悪化の前に対応できる場合があります。SBARを使った報告(Situation・Background・Assessment・Recommendation)を使うと、簡潔に重要な情報を伝えられます。

申し送りに入れるべき情報

申し送りでは「現状の数値」だけでなく「何に注意して次を見てほしいか」を伝えます。「JCS-1で安定しているが、昨夜と比べて応答がやや遅れる場面があった。次の巡回時に反応速度を再確認してほしい」というように、次の担当者が何を見るべきかまで含めた申し送りが現場では役立ちます!

神経学的な変化は急に起きることも、じわじわと進むこともあります。数値の点ではなく、時間の流れとして観察を積み重ねることが患者さんの安全を守ることにつながっています。今日の勤務でアセスメントした内容を、明日の担当者に確実に伝える一歩から始めてみてください!

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よくある質問

Q. 看護師が行う神経学的アセスメントはどの順番でどう行いますか?

意識レベル(JCS・GCS)から始め、瞳孔反射→運動機能(MMT)→感覚機能→反射(バビンスキー等)→言語・認知機能の順で行います。意識レベルや瞳孔は変化が生命に直結するため、最初に確認することが原則です。急変が疑われる場合は手順にとらわれず、まずABCの確認を優先してください。

Q. JCSとGCSの使い分けはどうすればいいですか?

JCSは日本で広く使われ、大まかな意識レベルを素早く確認するのに向いています。GCSは眼球開閉・言語・運動の3要素を数値化するため、経時変化を追うのに優れています。急変時や経過観察が必要な場面ではGCSを優先し、施設のルールに従って使い分けるのが基本です。

Q. 瞳孔不同(アニソコリア)を見つけたらどうすればいいですか?

左右差が1mm以上の場合は動眼神経麻痺や脳ヘルニアの初期サインとして扱い、即座に医師へ報告します。瞳孔の大きさ(mm単位)、光反射の有無、発見時刻を記録に残してください。散瞳側と縮瞳側のどちらが異常かを明確にすることも重要です。

Q. バビンスキー反射が陽性の場合は何を疑いますか?

成人でバビンスキー反射が陽性(母趾背屈・他趾扇状開大)の場合は、錐体路障害(上位運動ニューロン障害)を疑います。脳卒中・脊髄損傷・多発性硬化症などが代表的な原因です。足底を踵から母趾方向へゆっくり擦ることで正確に評価できます。強い刺激は逃避反射を誘発するので注意してください。

Q. MMTの段階はどう覚えればいいですか?

MMTは0〜5の6段階で、0が筋収縮なし、3が重力に抗して可動域全体を動かせる、5が正常筋力です。「3が重力に勝てる最低ライン」と覚えると現場で素早く判断できます。2以下では自力での体位変換が難しくなるため、転倒リスクのアセスメントと合わせて評価してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状や患者さんへの対応については、担当医師や施設のプロトコルに従ってください。判断に迷う場面では必ず医師・先輩看護師に相談することをおすすめします。

参考情報源

  1. 看護業務基準(2021年改訂版) (日本看護協会) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/gyomu/kijyun.pdf
  2. 脳卒中治療ガイドライン2021 (日本脳卒中学会) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.jsts.gr.jp/guideline/guideline2021.html
  3. 一般財団法人 日本医療教育財団 看護師国家試験出題基準 (厚生労働省) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049578.html

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