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脈拍測定はどこを見る?リズムと左右差確認と安全に進める看護の流れ

脈拍 測定 看護で迷いやすい観察ポイントを、実施前・実施中・実施後に分けて整理します。不整脈見落としを防ぎながら、患者さんに安心してもらう声かけと記録のコツまでまとめました。

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この記事の要点:脈拍測定では、1分あたりの回数だけでなく、リズム、強さ、左右差、患者さんの訴えを同時に見ます。とくに脈が不規則、片側だけ触れにくい、胸痛や息苦しさを伴うときは、測って終わりにせず安全側に報告しましょう!

脈拍測定は、バイタルサインの中でも「簡単そうに見えて、差が出る」技術です。橈骨動脈に指を当てて数えるだけなら短時間でできますが、看護で大切なのは、その脈が今の患者さんの状態と合っているかを見抜くことです。

同じ「80回/分」でも、規則的で落ち着いた脈なのか、抜けるような不規則さがあるのか、弱くて触れにくいのかで意味は変わります。発熱、疼痛、不安、脱水、出血、薬剤、運動直後、睡眠中など、脈拍はさまざまな条件で変動します。成人の安静時脈拍は一般に60〜100回/分程度が目安として扱われますが、年齢、体格、基礎疾患、内服薬、普段の値により幅があります。数字だけで正常・異常を決めつけないことが重要です。

この記事では、看護師が脈拍測定でどこを見るかを、実施前、実施中、実施後に分けて整理します。日本看護協会の看護業務基準が重視する安全で質の高い看護実践に沿って、速く測るより、見落としを減らす測り方を身につけましょう!

強い胸痛、息苦しさ、冷汗、顔面蒼白、意識の変化、めまい、失神しそうな訴え、症状が続く不調がある場合は、脈拍の測定値だけで判断せず、患者さんを安静にして速やかに報告します。判断に迷うときも、ひとりで抱えず医師や先輩看護師へつなぐことが安全です!

💓 脈拍 測定 看護で最初に見ることは?

脈拍測定で最初に見るのは、回数を数える手元ではなく患者さん全体です。脈拍は循環の一部を示す情報なので、表情、呼吸、皮膚色、姿勢、訴え、直前の活動まで合わせて見ます。

まず基準値ではなく「その人の普段」と比べる

新人のころは、脈拍数が基準範囲に入っているかだけを見がちです。しかし看護では、普段の値からの変化が重要です。いつも60回/分台の人が急に100回/分前後になった場合と、普段から90回/分台の人が同程度で推移している場合では、観察の意味が変わります。

発熱、痛み、不安、排泄後、入浴後、リハビリ後、起立直後、睡眠から覚めた直後などは、脈拍が変わりやすい場面です。測定前に「今、動いた直後か」「痛みを我慢していないか」「いつもより息が上がっていないか」を見ておくと、数値の読み間違いを減らせます。

患者さんが「大丈夫」と言っていても、返事が遅い、目線が合いにくい、手が冷たい、冷汗がある、体をこわばらせているときは注意します。本人の言葉と体の反応が合っていない場合は、測定を急がず状態確認を優先しましょう!

測る部位は目的に合わせて選ぶ

成人の日常的な脈拍測定では、橈骨動脈を触れることが多いです。手首の母指側に示指・中指・薬指を軽く当て、強く押しつぶさずに脈を探します。親指は自分の脈を感じやすいため、脈拍測定には使わないのが基本です。

橈骨動脈が触れにくい場合や末梢循環を見たい場合は、上腕動脈、大腿動脈、足背動脈、後脛骨動脈など、目的に応じて確認部位が変わります。頸動脈は循環状態の確認で使われることがありますが、強く圧迫しない、左右同時に押さえないなど安全面の配慮が必要です。施設の手順書と患者さんの状態に合わせて選びます。

左右差は「同じ強さか」だけでは見ない

左右差を見るときは、脈の強さだけでなく、触れやすさ、皮膚色、冷感、しびれ、痛み、浮腫、麻痺の有無を合わせます。片側だけ弱い、触れにくい、皮膚が冷たい、色が悪いといった変化がある場合は、末梢循環や血管の問題が関係する可能性もあります。原因をその場で断定せず、事実をそろえて報告します。

「左右差なし」と記録する場合も、何を見てそう判断したのかが大切です。左右の橈骨動脈を同条件で確認したのか、片側に点滴や麻痺があって比較しにくかったのか、患者さんの訴えはどうだったのか。比較できる情報を残すと、次の勤務者が変化を追いやすくなります。

🧭 実施前の準備はどこまで必要?

実施前の準備は、物品をそろえることだけではありません。本人確認、説明、体位、測定部位、直前の活動、報告基準をそろえることで、脈拍の値を読み違えにくくなります。

本人確認と説明で測定条件を整える

脈拍測定では、まず患者さん本人であることを確認し、何を測るのかを短く説明します。説明がないまま手首に触れると、患者さんは驚いたり緊張したりします。緊張そのものが脈拍に影響することもあるため、測定前の声かけは安全だけでなく測定条件を整える意味もあります。

声かけは長くなくて構いません。「脈を確認します。痛みはありませんが、苦しさや気分不快があれば教えてください」と伝えるだけでも、患者さんは状況を理解しやすくなります。認知機能の低下や聴力低下がある場合は、表情や動作でも反応を確認します。

測定前の体位と安静を確認する

測定前には、患者さんが安定した体位を取れているかを見ます。手首だけを引き寄せると肩や腕に力が入り、脈が触れにくくなることがあります。腕を支え、手掌を上に向け、測定部位に無理な圧がかからないようにします。

運動直後、トイレから戻った直後、入浴後、処置直後などは、脈拍が一時的に変わることがあります。急いで測る必要がある場面を除き、施設手順に沿って安静を確保してから測定します。測定時の条件も記録や申し送りに残すと、次の値と比較しやすくなります。

報告するサインを先に決める

実施前に「どこまでなら予定どおり測るか」「どのサインが出たら止めるか」を決めておくと、異変時に慌てにくくなります。脈が極端に速い・遅い、不規則、弱く触れにくい、左右差が目立つ、胸痛、息苦しさ、冷汗、顔面蒼白、めまい、意識の変化がある場合は、測定を続けるより状態確認と報告を優先します。

脈拍の数値だけでなく、症状の強さと継続時間も重要です。強い症状がある、症状が続く、いつもと明らかに違う、判断に迷う。こうした場面では、医師や先輩看護師へ早めにつなぐことが患者さんを守ります!

場面見ること迷ったときの動き
実施前本人確認、直前の活動、測定部位、普段の値いつもと違う点を先に共有する
実施中回数、リズム、強さ、左右差、症状違和感があれば止めて状態確認する
実施後測定条件、患者さんの反応、報告内容次に見る点と時刻を申し送る

🔎 実施中は何を観察する?

実施中は、脈を数えることに集中しすぎて患者さんの反応を見落とさないようにします。回数、リズム、強さ、左右差、症状を分けて観察すると、報告や記録もしやすくなります。

回数は条件により数え方を変える

脈が規則的で、患者さんの状態も安定している場合は、施設手順に従って一定時間を数え、1分あたりに換算する方法が用いられることがあります。一方で、リズムが不規則、脈が弱い、症状がある、初回評価で変化を拾いたい場合は、短時間の換算だけでは不十分になりやすいです。

不規則な脈では、1分間を目安に数え、抜ける感じ、急に速くなる感じ、強弱のばらつきも確認します。電子血圧計やパルスオキシメータの脈拍表示があっても、表示だけでリズムや左右差を十分に判断できるとは限りません。機器の値と触診、患者さんの状態を合わせて確認しましょう!

リズムは「規則的か、不規則か」を言葉にする

リズムを見るときは、ただ「不整脈あり」と断定するのではなく、観察した事実を言葉にします。「脈がところどころ抜けるように触れる」「強弱がばらつく」「急に速くなる感じがある」「一定ではない」など、触れた所見を具体的に残すと、報告を受ける側が判断しやすくなります。

不整脈の有無や診断名を看護師だけで決める必要はありません。看護師が担うのは、患者さんの変化を早く拾い、必要な相手に伝えることです。動悸、胸部不快感、息苦しさ、めまい、冷汗、意識の変化を伴う場合は、測定値が一見大きく外れていなくても報告します。

左右差と末梢循環を同時に見る

左右差を確認するときは、左右の橈骨動脈を同じような姿勢と圧で触れます。片側だけ強く押すと、触れ方の差を自分で作ってしまいます。脈が弱いときほど焦って強く押したくなりますが、圧をかけすぎると逆に触れにくくなるため、軽く探ることが大切です。

末梢循環を見る場面では、手指の色、冷感、毛細血管再充満、しびれや痛みの訴え、浮腫、麻痺側かどうかも確認します。左右差があるからすぐに特定の病名と決めつけるのではなく、「どちらが、どの程度、どの症状を伴っているか」を報告できるようにします。

測定中の声かけは観察でもある

声かけは安心のためだけではありません。「苦しくないですか」「動悸はありますか」「気分は悪くないですか」と短く聞くことで、返答の速さ、声の弱さ、表情、呼吸の変化を確認できます。

返事が普段より遅い、急に黙る、目線が合わない、ベッド柵を強く握る、呼吸が浅い。こうした変化は、脈拍数だけでは見えないサインです。測定の途中でも、違和感があればいったん止めて患者さんの状態を優先します!

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📝 実施後の記録と申し送りは何を書く?

実施後は、測定値だけでなく、測定条件と患者さんの反応を残します。次に同じ患者さんを見る人が比較できるように書くことが、脈拍測定の記録で大切です。

数値だけでなく測定条件を書く

「脈拍80回/分」とだけ残すと、次の勤務者は比較しにくいです。測定部位、リズム、強さ、左右差、測定前の活動、症状の有無があると、同じ80回/分でも意味が伝わります。たとえば「橈骨動脈、80回/分、整、左右差なし、測定前安静、動悸・息苦しさなし」のように、施設の記録様式に合わせて簡潔に残します。

不規則な脈や左右差がある場合は、時刻も大切です。「何時に、どの部位で、どのように触れたか」「症状を伴ったか」「誰に報告したか」を残します。文章をきれいに整えるより、次の判断に必要な情報を落とさないことを優先しましょう!

観察と判断を分けて報告する

報告では、観察した事実と自分の判断を分けます。「脈が不整です」だけだと、どのような不整なのかが伝わりにくいです。「橈骨動脈で1分間測定し、脈が数回抜けるように触れました。本人は動悸なしですが、普段と違うため報告します」のように、事実、症状、普段との差をそろえます。

医療事故情報収集等事業の事例検索は、医療現場で起こる事例から確認や伝達の重要性を学ぶための情報源です。脈拍測定でも、違和感を個人の記憶に置いたままにせず、記録と申し送りに残すことで、次の確認漏れを減らせます。

申し送りは次の観察点で締める

申し送りでは、測定したことだけでなく、次に見る点を一つか二つに絞って伝えます。「次回も橈骨動脈でリズムを1分確認してください」「右手の冷感と脈の触れにくさを再確認してください」「動悸や息苦しさの訴えが出たらすぐ報告してください」のように、次の行動がわかる形にします。

情報をたくさん詰め込みすぎると、大事な点が埋もれます。脈拍数、リズム、左右差、症状、報告済みかどうか。この中から今いちばん危ない点を選び、次に見る人へ渡しましょう!

ヒヤリは個人の反省だけで終わらせない

脈拍測定で「不規則さに気づくのが遅れた」「機器表示だけ見て触診しなかった」「左右差を見落とした」と感じる場面があれば、個人の技術不足だけで片づけないことが大切です。忙しさ、手順のあいまいさ、記録様式、申し送りの不足、教育の機会など、背景に複数の要因がある場合があります。

ヒヤリとした事実は、患者さんを責めるものでも、自分を責め続けるものでもありません。次に同じ見落としを減らすための材料です。所属施設のルールに沿って共有し、必要なら手順や申し送りの見直しにつなげます。

強い症状や続く不調は測定だけで終えない

脈拍測定中または測定後に、強い胸痛、息苦しさ、冷汗、顔面蒼白、意識の変化、めまい、失神しそうな訴えがある場合は、数値の記録だけで終えません。患者さんを安静にし、他のバイタルサインや症状を確認し、医師へ報告します。

「少し様子を見てよいのか」「すぐ報告すべきか」で迷う場面ほど、安全側に動きます。症状が継続する、普段と違う、患者さん自身が不安を訴える場合も、受診や診察につながるよう相談します。脈拍測定は、異変を見つけて次の対応につなぐための入口です!

❓ よくある質問

Q. 橈骨動脈で脈が不規則なときは何秒測ればよいですか?
不規則さがある場合は、短時間の換算で済ませず1分間を目安に数えます。動悸、胸痛、息苦しさ、冷汗、意識の変化を伴う場合は測定だけで終えず、患者さんを安静にして速やかに報告します。

Q. 脈拍測定で左右差はいつ確認しますか?
初回評価、状態変化時、末梢循環の確認が必要な場面では左右差を見ます。片側だけで普段どおりと判断せず、脈の強さ、触れやすさ、皮膚色、冷感も合わせて確認します。

Q. 電子血圧計やパルスオキシメータの脈拍表示だけで足りますか?
機器表示は参考になりますが、リズムの乱れや末梢循環の弱さがあるときは触診で確認します。数値、患者さんの訴え、表情、呼吸状態が合っているかを合わせて見ることが大切です。

Q. 測定中に動悸や息苦しさを訴えたらどうしますか?
いったん測定を止め、安静を保ち、バイタルと症状を確認して報告します。強い症状、継続する不調、判断に迷う場合は、医師へ報告し受診や診察につなげます。

あなたの次の一歩に

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療・看護判断に代わるものではありません。実施手順や適応は、所属施設の手順書、医師の指示、最新の添付文書や公的情報を確認してください。

参考情報源

  1. 看護業務基準(2021年改訂版) (日本看護協会) アクセス日: Sat May 30 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/gyomu/kijyun.pdf
  2. 医療事故情報収集等事業 事例検索 (日本医療機能評価機構) アクセス日: Sat May 30 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.med-safe.jp/mpsearch/SearchReport.action

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