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手術部位感染の看護で何を見る?観察ポイントと急変サイン

手術部位感染の看護で押さえたい創部観察、全身状態、敗血症を疑う急変サイン、報告と退院指導を実習・国試にも使える形で整理します。

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手術部位感染、いわゆるSSIは「創が赤いかどうか」だけを見る記事にすると危険です。切開創の表面に出る変化もありますが、深部や手術で扱った臓器・体腔側の感染では、創部の見た目が大きく崩れる前に、発熱、痛みの増悪、排液の変化、食欲低下、尿量低下、意識や呼吸の変化として先に出ることがあります。

看護師ができるのは診断ではなく、悪化の入口を早く拾い、医師の指示と施設手順につなげることです。この記事では、手術部位感染の看護を「創部」「全身状態」「ドレーン・検査」「報告」「退院後の受診目安」に分けて整理します。強い症状がある、発熱や痛みなどの不調が続く、判断に迷う場合は、自己判断で様子を見続けず、リーダーや医師へ報告し、退院後なら医療機関へ連絡する前提で読んでください!

🩹 手術部位感染の看護で最初に何を見る?結論は「創部だけでなく全身」を同時に見ることです

SSIは、手術に関連した部位に起こる感染です。一般に、切開した皮膚の表層だけでなく、筋膜・筋層などの深部、手術で扱った臓器や体腔側の感染も含めて考えます。つまり、観察の入口は創部でも、判断の材料は全身状態まで広げる必要があります。

SSIを一文でつかむ

実習で使いやすい言い方にすると、手術部位感染は「手術創や手術で扱った部位に感染が起こり、痛み・排液・創離開などの局所変化と、発熱・循環不全・意識変化などの全身変化につながりうる状態」です。ここまで押さえると、なぜ体温だけでなく呼吸数、血圧、尿量、会話の様子まで見るのかが説明しやすくなります。

術後は、痛み、発熱、食欲低下、炎症反応の上昇が一定程度みられることがあります。そのため、一つの症状だけで「SSIです」と決めつけるのは不適切です。一方で、症状が強い、前日より明らかに悪い、複数の変化が重なる場合は、感染の悪化や敗血症を含めて早めに共有します。迷った時点で相談してよい場面です!

まず分けるのは局所所見と全身所見

観察は、局所所見と全身所見に分けると抜けにくくなります。局所所見は、創の発赤、熱感、腫脹、疼痛、硬結、排液、臭い、創離開、ドレーン周囲の変化です。全身所見は、体温、心拍、血圧、呼吸数、SpO2、意識、悪寒、倦怠感、食事量、尿量、皮膚冷感などです。

観察の区分見ること看護での注意点
創部発赤、熱感、腫脹、疼痛、硬結、創離開範囲の広がり、前回との差、処置前後の変化を見る
排液量、色、混濁、血性・膿性、臭い急な増減や悪臭は報告材料にする
ドレーン排液量、性状、閉塞、固定、刺入部抜去や洗浄の判断は指示・手順に従う
全身発熱、呼吸、循環、意識、尿量、食事量敗血症を疑う変化がないか早めに見る

この表は暗記表ではなく、申し送りの骨組みです。「創部の発赤が昨日より広がり、排液が混濁し、食事量も落ちています」のように、局所と全身を一文でつなげると、報告の緊急度が伝わりやすくなります。

診断ではなく「変化の言語化」をする

看護記録で大切なのは、診断名をつけることではなく、見た変化を具体的に残すことです。「創部が悪い」ではなく、「創縁の発赤が前回より広い」「排液が淡血性から混濁へ変化」「疼痛が体動時だけでなく安静時も続く」のように書くと、次の評価に使えます。

創部の撮影、マーキング、ガーゼの確認、ドレーン排液の測定などは、施設手順と患者さんの同意・プライバシーに沿って行います。勝手に創を押して排膿を確認したり、指示なく処置方法を変えたりしないことも安全な看護です!

🔎 観察項目はどう整理する?結論は「術後経過との差」を見ることです

SSIの観察では、正常・異常を一回の数字だけで判断しないことが重要です。術式、創の場所、術後日数、基礎疾患、抗菌薬やドレーンの有無によって、見え方は変わります。患者さんごとの術後経過と比べて、どこがずれてきたかを拾います。

創部は発赤・熱感・腫脹・疼痛・排液を並べて見る

創部観察では、発赤、熱感、腫脹、疼痛、硬結、排液、臭い、創離開を並べて見ます。特に、発赤の範囲が広がる、痛みが急に強くなる、膿性または悪臭のある排液が出る、創が開く、皮膚の色調が悪いといった変化は、単なる術後変化として流さない方が安全です。

疼痛は、創部感染だけでなく、術式、体動、ドレーン、神経障害、血腫などでも起こりえます。だからこそ、痛みの部位、性質、強さ、増悪タイミング、鎮痛薬への反応、安静時にも続くかを確認します。「いつもの術後痛と違う」という患者さんの表現は、重要な情報です!

ドレーンとガーゼは量だけでなく性状を見る

ドレーンがある患者さんでは、排液量だけでなく、色、混濁、臭い、粘稠度、急な増減、閉塞の有無、固定状態、刺入部の発赤や疼痛を見ます。ガーゼやドレッシング材では、浸出液の広がり、交換頻度、漏れ、汚染、剥がれを確認します。

ただし、ドレーンの管理は施設手順と医師の指示に強く依存します。排液が少ないから安全、排液が多いから必ず感染、とは言えません。観察した事実を時系列で伝え、「前回と違う」「急に変わった」を報告できることが看護師の役割です。

検査値は単独でなく症状と合わせる

感染が疑われる場面では、白血球数、CRP、培養検査、画像検査などが評価に使われることがあります。看護師は検査値だけで診断を決めるのではなく、検査値の推移と患者さんの症状が合っているか、抗菌薬開始時刻や培養採取のタイミング、アレルギー歴、副作用の有無を確認します。

抗菌薬は、開始時刻、投与間隔、点滴ルート、投与中の発疹・呼吸苦・血圧低下などの反応を見ます。副作用やアレルギーを疑う症状があれば、感染そのものの悪化と混同せず、すぐ共有します。投与を自己判断で遅らせたり中断したりしないことも大切です!

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⚠️ 急変サインはいつ報告する?結論は「感染に全身の崩れが重なった時点」です

SSIで怖いのは、創部感染が局所にとどまらず、全身状態の悪化につながることです。既存sourceの日本版敗血症診療ガイドライン2024が扱う敗血症も、感染に伴う臓器障害を疑う場面では迅速な評価と対応が必要になる領域です。看護では「診断できるか」ではなく、「敗血症を疑って早く共有すべきか」を考えます。

早く報告したい全身サイン

次のような変化がある場合は、創部の見た目が軽くても早めに報告します。

これらはSSIに限らず、感染悪化のサインとして重要です。数値の基準は患者さんの背景や施設基準で異なるため、ここでは固定の閾値を置きません。普段との差、複数所見の重なり、患者さんや家族の「いつもと違う」を大切にします!

SBARで短く伝える

報告では、SBARを使うと短く伝えられます。Sは状況、Bは背景、Aは評価、Rは提案です。たとえば「術後何日目の患者さんで、創部の発赤が前回より広がり、排液が混濁しています。体温上昇と食事量低下もあり、感染悪化が心配です。診察または指示確認をお願いします」と組み立てます。

学生や新人のうちは、全部そろえてから報告しようとして時間が過ぎがちです。しかし、意識、呼吸、循環、尿量に変化があるときは、未確認の情報が残っていても第一報を入れます。「追加で創部写真の手順を確認します」「再検温してもう一度報告します」と添えれば、報告は十分に実用的です。

観察間隔を上げる判断

状態が不安定な患者さんでは、観察間隔を短くする必要があります。具体的な間隔は医師の指示や施設基準に従いますが、看護師としては「このまま同じ観察頻度でよいか」を考え続けます。

たとえば、創部痛が増え、排液が変わり、会話量が少なくなっている患者さんでは、体温だけを次の定時まで待つのは危険な場合があります。バイタル、意識、尿量、創部、排液、患者さんの訴えを短い間隔で見直し、変化を時系列で残します。強い症状や継続する不調があるなら、早めに医師へ報告しましょう!

🏠 退院支援と患者指導はどうする?結論は「家で判断に迷わない言葉」にすることです

SSIの患者指導は、創の扱い方だけでは終わりません。退院後に患者さんが何を見て、何を続け、どの状態なら連絡するかまで具体化します。特に、発熱だけを受診目安にすると見落としが出るため、創部と全身の両方を伝えます。

自宅で見る創部サインを絞る

患者さんには、毎日確認しやすい項目に絞って説明します。創部の赤みが広がる、腫れや熱感が強くなる、痛みが増える、膿のような排液や悪臭がある、創が開く、ドレッシング材がすぐ汚れるといった変化は、自己判断で様子を見続けないよう伝えます。

説明は「赤くなったら注意」だけでは曖昧です。「昨日より赤い範囲が広い」「痛み止めを使っても強い痛みが続く」「排液のにおいが気になる」のように、患者さんが言葉にしやすい表現へ置き換えます。退院指導では、患者さん本人に受診目安を言い返してもらうと確認しやすいです!

発熱以外の受診目安を伝える

発熱は大切なサインですが、発熱がないから安全とは言い切れません。ぐったりしている、食べられない、水分が取れない、息苦しい、意識がぼんやりする、尿が少ない、強い悪寒があるといった全身症状も、連絡や受診の目安になります。

高齢者、糖尿病、免疫抑制薬の使用、透析、低栄養などがある患者さんでは、典型的な発熱や強い痛みが出にくいことがあります。背景に応じて、どのサインを重視するかは医師や退院支援チームとそろえます。判断に迷うときは連絡してよい、と明確に伝えることが安全です。

セルフケアは「禁止」より「続け方」を確認する

創部を清潔に保つ、手指衛生を行う、ドレッシング材を濡らさない、処方薬を自己判断で中断しない、予約受診を守るなどは、患者さんの生活の中で続けられる形にします。入浴やシャワー、創部の洗浄、ドレッシング材の交換方法は、術式や創の状態で変わるため、退院時の個別指示を確認します。

「清潔にしてください」と言うだけでは、患者さんは何をしてよいかわからないことがあります。手を洗うタイミング、創部を触らない理由、濡れたときの連絡先、薬を飲み忘れたときの相談方法まで具体化すると、退院後の不安が減ります!

📝 実習・国試ではどう覚える?結論は「局所、全身、報告」を3点セットにします

SSIを実習や国試で覚えるときは、病態説明だけで終わらせないことが大切です。局所所見、全身所見、報告の優先順位をセットにすると、看護過程、記録、優先順位問題に使えます。

アセスメントは原因探しではなく悪化リスクを見る

看護師のアセスメントは、原因を確定することではありません。創部に感染が疑われる変化があり、全身状態がどう動いていて、今後どのリスクが高いかを整理することです。SSIでは、疼痛による活動低下、創離開、治癒遅延、敗血症を含む全身悪化、セルフケア不足、退院後の再受診遅れなどが看護上の論点になります。

実習記録では、「手術部位感染のため観察する」と書くだけでは弱いです。「排液の混濁と発赤範囲の拡大があり、感染悪化の可能性がある。発熱、呼吸状態、尿量、意識の変化を合わせて観察し、増悪時は報告する」のように、局所から全身へつなげます。

SOAP記録は時系列で書く

SOAPでは、Sに患者さんの訴え、Oに観察事実、Aに解釈、Pに次の行動を書きます。SSIでは、Oに創部所見、排液、バイタル、尿量、食事量、意識、検査値の推移を入れ、Aでは「術後経過からみて変化が強いか」「全身悪化が疑われるか」「報告や再観察が必要か」を書きます。

たとえば、Sが「昨日より痛い」、Oが「発赤範囲拡大、排液混濁、食事量低下」なら、Aは「創部感染悪化の可能性があり、全身状態の変化も確認が必要」となります。Pには、再観察、リーダー報告、医師指示確認、安楽な体位、患者説明を入れます。記録は、次に何をするかまで書けると強いです!

国試では「すぐ対応する所見」を選ぶ

国試では、創部の赤みを見つける問題だけでなく、どの所見を優先して報告するかが問われます。SSIが疑われる患者さんで、意識変化、呼吸状態の悪化、血圧低下、尿量低下、強い悪寒、急な痛みの増悪があれば、創部処置の細かい手順より先に全身状態の評価と報告を考えます。

一方、退院指導の問題では、手洗い、創部を清潔に保つこと、薬の継続、受診目安、連絡先の確認が軸になります。国試でも臨床でも、迷ったら「生命に関わる全身変化」「創部の悪化」「退院後に連絡すべきサイン」の順で整理しましょう!

❓ よくある質問

手術部位感染では創部のどこを観察しますか?

発赤、熱感、腫脹、疼痛、硬結、排液の量・色・臭い、創離開、ドレーン周囲の発赤や痛みを見ます。大切なのは、一回の見た目ではなく前回との差です。創部だけで判断せず、体温、呼吸、循環、意識、尿量、食事量も合わせて見ます。

術後の発熱はすぐ手術部位感染と考えてよいですか?

発熱だけでSSIと決めつけません。術後経過、創部所見、排液、検査値の推移、呼吸器や尿路など他の感染源の可能性も含めて評価します。発熱が続く、創部所見が悪くなる、ぐったり感や尿量低下がある場合は、早めに報告します!

手術部位感染で医師へ早く報告する全身サインは何ですか?

意識変化、呼吸苦、血圧低下、尿量低下、皮膚冷感、強い悪寒、食事や水分が取れない、創部痛が急に強くなるといった変化です。感染に全身状態の崩れが重なる場合は、敗血症を含む悪化の可能性があるため、判断に迷ってもリーダーや医師へ共有します。

退院後に患者さんへ伝える受診目安は何ですか?

赤みや腫れが広がる、膿や悪臭のある排液が出る、創が開く、強い痛みが続く、発熱やぐったり感が続く、息苦しい、意識がぼんやりする、尿が少ない場合は、自己判断せず医療機関へ連絡・受診するよう伝えます。連絡先と相談する時間帯も一緒に確認します!

あなたの次の一歩に

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療・看護判断に代わるものではありません。実際のケアは医師の指示、施設の手順、患者さんの状態に合わせて実施してください。

参考情報源

  1. 日本版敗血症診療ガイドライン2024 (日本集中治療医学会・日本救急医学会) アクセス日: Sat May 30 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.jsicm.org/news/news241225-J-SSCG2024.html

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