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創傷アセスメントの基本|DESIGNスケールと深さ分類の見方

病棟で褥瘡・創傷処置を担当する看護師向けに、DESIGNスケールの各項目の評価方法と、NPUAP深達度分類の判定基準をわかりやすく解説します。

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「DESIGNのDって、どこまでが”d”でどこからが”D”なの……」と処置室でこっそり悩んだことはありませんか?入職2〜3年目の看護師でも、創傷評価は意外と「なんとなく」で乗り切ってきた方が多いんです!

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創傷アセスメントは、処置の方向性を決める大事な起点です。「なんとなく悪そう」「前より良くなった気がする」という主観的な評価では、チームで情報を共有することも、治療効果を客観的に判断することもできません。

この記事では、日本褥瘡学会が開発したDESIGN-R®2020の各評価項目を一つひとつ丁寧に解説し、NPUAP深達度分類との使い分けまで整理します。病棟での処置記録に迷ったとき、スタッフへの指導のときに、手元に置いておける内容を目指しました。

DESIGNスケールとは何か

🔍 DESIGNスケールは、日本褥瘡学会が2002年に開発した褥瘡専用の評価ツールです。現在は2020年改訂版のDESIGN-R®2020が標準として使われており、「治癒過程の評価」と「重症度の把握」を同時に行うことができます。

DESIGNという名前の意味

DESIGNは以下の7項目の頭文字を並べた略語です。

Pは最後につくため、正確にはDESIGN-Pとも呼ばれます。各項目をスコアリングして合計点を算出することで、褥瘡の状態を数値で表現できます。

大文字・小文字の使い分けがミソ

DESIGNスケールで迷いやすいのが、大文字と小文字の区別です。大文字(D・E・S・I・G・N・P)は重症寄りのスコア、小文字(d・e・s・i・g・n・p)は軽症寄りのスコアを意味します。たとえばDは「骨・腱・筋が露出している深い創」、dは「真皮まで」のような浅い創という具合に使い分けます。処置記録にアルファベットを書くだけで状態の深刻さがひと目でわかるのが、このスケールの大きな利点です!

各評価項目の見方

📋 ここからは7項目を一つずつ解説します。どの項目も「何を見るか」「何で判断するか」を意識して評価するのが基本です。

D:Depth(深さ)の評価

深さは褥瘡の深達度を評価する項目で、視診と触診を組み合わせて判定します。

スコアの内訳は以下のとおりです。

DTI(深部組織損傷)疑いはDESIGN-R®2020から追加された概念で、骨突出部で紫色や暗赤色の変色があり、硬結や温感・冷感の変化を伴う場合に該当します。外見上は軽そうに見えても急速に悪化する可能性があり、見逃しやすいので要注意です。

実際のポイントとして、壊死組織があると底部が見えず「DU(深さ判定不能)」になります。清拭・デブリードマンの後に再評価することで、より正確なスコアが得られます。

E:Exudate(浸出液)の評価

浸出液は量と性状を評価します。適度な浸出液は創傷治癒に必要ですが、多すぎると周囲皮膚が浸軟して悪化します。

浸出液の色にも注目します。透明〜淡黄色は正常な浸出液、緑色や悪臭を伴う場合は感染の合図であり、I(炎症・感染)とあわせて評価します。

S:Size(大きさ)の評価

大きさは長径と短径を測定して算出します。定規(スケール)を使って直接測定するか、計測グリッドシートを使います。

面積の算出式は「長径(cm)× 短径(cm)」ですが、厳密にはすべての面積ではなく創の輪郭を囲む最小矩形を計算するのが一般的です。

数字が大きいほどスコアが高く(重症)、総合点を押し上げます。毎回同じ体位・同じ角度で測定することが再現性のある評価につながります!

I:Inflammation/Infection(炎症・感染)の評価

炎症と感染は段階的に評価します。2020年の改訂でクリティカルコロナイゼーション疑いが追加され、以下の4段階になりました。

クリティカルコロナイゼーション(批判的定着)は感染の手前の段階で、バイオフィルム形成などにより治癒が遷延している状態です。「傷口が膿んでいるわけではないのに、なぜか治らない」というケースはこのI3Cに当てはまる可能性があります。

G:Granulation tissue(肉芽組織)の評価

肉芽組織の状態は治癒過程の良し悪しを示します。良性肉芽は鮮やかな赤色で弾力があり、出血しにくいのが特徴です。不良肉芽は暗赤色・紫色・白っぽい色で脆弱です。

肉芽の評価は創の底全体を均等に見渡すことが大切です。一部だけを見て判断すると過小・過大評価になりやすいので、視点を変えながら確認する習慣をつけましょう。

N:Necrotic tissue(壊死組織)の評価

壊死組織は感染の温床になり、肉芽形成を妨げます。色・性状・付着の強さで評価します。

硬い黒色エスカーは、皮下組織まで及ぶ深い壊死を意味します。除去が必要かどうかは医師の判断を仰ぎますが、感染の有無・周囲の状態をあわせて報告できると判断がスムーズです。

P:Pocket(ポケット)の評価

ポケットとは、創の開口部よりも内側に広がった空洞のことです。処置が届きにくく感染リスクが高まるため、見逃さず評価することが重要です。

ポケットの測定は、滅菌綿棒を傷口に沿わせながら方向・深さを探ります。測定値は「長径×短径」で計算し、開口部との差分でポケットの面積を算出します。

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NPUAP深達度分類との関係

📊 NPUAP分類(現NPIAP分類)は、褥瘡の深達度を4つのカテゴリーで分類するスケールです。初回評価や他職種への報告で広く使われており、DESIGNスケールとあわせて使うことで情報が立体的になります。

4段階のカテゴリー

加えて、以下の2つも重要です。

DESIGNとNPUAPの使い分け

両スケールは目的が異なります。NPUAP分類は深達度の分類(どの層まで損傷しているか)に特化しており、記録・報告・診察時の共通言語として使われます。一方、DESIGN-R®は経時的な治癒経過の数値化が得意で、週ごとの変化を点数で追うことができます。

実際の使い方としては、「今日の褥瘡はステージIIで、DESIGN-R®スコアは11点。先週より3点改善しています」という形で報告すると、医師や他職種にも状態が正確に伝わります。

同じ傷でもスコアが違う理由

NPUAP分類とDESIGN-R®のDスコアは似ていますが、完全には対応しません。たとえば、NPUAP分類でカテゴリー3に該当する創でも、DESIGN-R®ではD3になるケースもあればD4になるケースもあります。また、DESIGN-R®のDU(深さ不明)は壊死で底部が見えない場合を指すため、NPUAP分類の「深さ判定不能」に対応します。混同しないよう、どちらのスケールで評価したかを記録に明記する習慣が大切です!

スコアの記録と申し送りの実践

📝 創傷アセスメントは評価するだけでは終わりません。記録に残し、チームで共有することで初めて意味をもちます。

記録の書き方

DESIGNの記録は、各項目を「D3-E3-S8-I1-G4-N3-P0=合計22点」のように1行で表記するのが一般的です。この書き方は前回の記録と並べたときに変化が視覚的にわかりやすく、処置変更の判断材料にもなります。

点数が下がっていれば改善、上がっていれば悪化の傾向として捉えられます。ただしDの項目だけはデブリードマン後に点数が一時的に上がることがある(底部が見えるようになる)ため、数字の増減だけでなく文脈とあわせて判断することが大切です。

申し送りで伝えるべきポイント

申し送り時には、スコアだけでなく以下の4点をセットで伝えると情報共有の精度が高まります。

「仙骨部の褥瘡、DESIGN-R®スコアが今週15点から12点に下がりました。浸出液が減り、肉芽も改善傾向です。モイスキンパッドを継続しています」という具体的な申し送りは、夜勤帯の看護師にとっても判断しやすい情報です。

定期的な評価の仕組みを作る

褥瘡評価は「気がついたときにやる」では経時変化の記録が途切れてしまいます。週1回の定期評価をケアプランやプロトコルに組み込み、記録者を固定するか交代しながらも書式を統一することで、評価の質が安定します。

状態が悪化したとき・ドレッシング材を変更するとき・医師へ報告するときには、必ず最新のDESIGN-R®スコアを手元に持つ習慣をつけましょう。それだけで報告の説得力がぐっと増します!

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今日から実践できることは一つです。次の褥瘡処置のとき、DESIGN-R®の7項目を一項目ずつ声に出しながら確認してみてください。最初は少し時間がかかっても、続けるうちに「見る目」が育っていきます。評価の精度が上がれば、患者さんの創傷治癒も加速します!

あなたの次の一歩に

よくある質問

Q. DESIGNスケールはどうやって評価するのですか?

D(深さ)・E(浸出液)・S(大きさ)・I(炎症/感染)・G(肉芽組織)・N(壊死組織)・P(ポケット)の7項目をそれぞれスコアリングします。大文字は重症、小文字は軽症を示し、合計点が高いほど褥瘡状態が悪いと判断します。

Q. DESIGNとDESIGN-Rの違いは何ですか?

DESIGNは2002年に日本褥瘡学会が開発した初版です。DESIGN-Rは2008年に改訂されたもので、各項目にスコアを付けて合計点で重症度を数値化できるようになりました。さらに2020年にDESIGN-R®2020として改訂され、DTI疑いとクリティカルコロナイゼーション疑いの概念が追加されました。

Q. 褥瘡のステージ分類(NPUAP分類)とDESIGNスケールはどう使い分けますか?

NPUAP分類は褥瘡の深達度(皮膚のどの層まで障害されているか)を判定する分類で、主に初回評価や記録・報告に使います。DESIGN-R®は経時的な状態変化を数値で追うためのスケールです。初回診察でNPUAP分類を確認し、その後の経過をDESIGN-R®で継続評価するのが一般的です。

Q. ポケットの評価はどのように行いますか?

DESIGN-R®のPはポケット(皮膚表面の開口部より内側に広がった空洞)の面積を評価します。滅菌綿棒や指を使って開口部の周囲をやさしく探り、ポケットの長径と短径を測定して面積を算出します。ポケットがない場合は0点、大きさに応じてスコアが上がります。

Q. 褥瘡アセスメントの頻度はどのくらいが適切ですか?

褥瘡が発生した場合は少なくとも週1回以上の評価が推奨されています。感染や急激な悪化が疑われる場合は毎日の評価が必要です。施設のプロトコルや医師の指示に従いつつ、状態変化があればその都度評価し記録に残すことが重要です。


本記事は一般的な情報提供を目的としています。個々の患者さんの褥瘡評価や処置方針については、担当医や褥瘡認定看護師など専門職にご相談ください。

参考情報源

  1. 褥瘡評価ツール 改定DESIGN-R®2020|一般社団法人 日本褥瘡学会 (一般社団法人 日本褥瘡学会) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.jspu.org/medical/design-r/
  2. 褥瘡の分類|褥瘡の概要|マルホ 医療関係者向けサイト (マルホ株式会社) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.maruho.co.jp/medical/articles/pressureulcer/outline/classification.html
  3. 日本看護協会 看護の専門性・看護実践 (公益社団法人 日本看護協会) アクセス日: Thu Jun 04 2026 02:00:00 GMT+0200 (Central European Summer Time) https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/

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